施策の質と職務能力を高めたい!ディレクター会の取り組み

こんにちは。サービス開発部 ディレクターの五味です。 Android版クックパッドアプリのリリースマネージャーと、アプリ利用者に関わるいくつかのプロジェクトを担当しています。今回は私たちの部で実施している、ディレクターの定例会について紹介します。

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サービス開発部

クックパッドの開発体制は、2年前に私が ディレクター知見共有会についてのエントリー *1 を書いた頃から少し変遷を経て、2017年からはサービス開発部が、レシピ検索・投稿などの基幹機能と、サービス全体のユーザー体験を一手に管轄するようになっています。

部のメンバーは現在40人ほどおり、部の注力指標からブレイクダウンしたKPIをベースに9つのプロジェクトチームに分かれています。チームの編成や人数は様々で、状況に合わせて入れ替わりもOK、KPI達成に向かっていれば、各チーム主体的に動くことが推奨される柔軟な組織を試みています。

プロジェクトチームで働く中で

このような体制の利点は、自分のチームのミッションに対して裁量を持って施策を考え取り組めることです。やりがいがある反面、以下のような悩みを感じるようになりました。

  • 部の目標に対するチーム横断での進捗度や、自分のチームの遅れが見えづらい
    • チームで決めた施策を進めるだけで、施策数や速度は本当に十分なの?
  • チームが自律的に動く反面、チーム間の情報連携や相互補完が難しい
    • 他のチームは目標をどう考えてどんな施策をしているのか、知りたいけど聞きづらい…
  • ディレクターとしての自分の成長がわからない
    • この職種に必要なスキルは何なのか、自分のパフォーマンスは足りているんだろうか?

ディレクター会の発足

これらの悩みを持ち掛けた方々から助言を得て、部のディレクターがチームを越えて集うディレクター会を始めることにしました。部内のディレクター職の他、ディレクター不在のチームからは同等の役割を担っている他職種の方にも声をかけます。

初回の開催で、会の目的とアジェンダを以下のように決めました。

  • 会の目的
    • サービス開発部でディレクターの役割を持つ人の情報・知見をチーム横断で共有する
  • 成功のイメージ(会の参加者に対して)
    • 担当施策について目標に対する成果を把握し、責任を持って報告できるようになる
    • 部内の施策の内容・効果を横断的に把握し、自分の提案に活かせる
    • 定期的に悩み相談や意見交換をする機会を得て、施策の精度が部署全体で上がる
    • ディレクターとしてのスキルアップに積極的に取り組めるようになる
  • アジェンダ(60分)
    • ① 実施した施策の共有 30分
    • ② 施策やチーム運営の相談 20分
    • ③ その他アナウンス、連絡事項 10分

意識したことは「先週これをやりました、今週これをやります」という業務進捗報告に時間を割かないことです。他のチームの施策の進捗を聞いても必要な情報や問題を見出すのは難しいことと、ディレクターなのでチームの進捗管理は各自できている前提にしたかったためです。

会議の時間は1時間、開催頻度は週1回と仮決めしてスタートしましたが、これは毎週ちょっとだけ時間が足りないくらいアジェンダがある状態が続けられているので、そのまま継続しています。

「実施施策の共有」について

ディレクター会のメインコンテンツにしている施策の共有について少し紹介します。

この会では、部で実施する施策をできるだけすべて議題にあげたいので、施策共有用に手間のかかる資料は作らないことにし、GitHub Issue に報告事項の箇条書きだけ準備する方式にしました。

ただし、箇条書きの項目はテンプレートで決まっており、報告には、仮説・試算・実数・考察・次のアクションの5項目が必要です。PDCAを回せるような設計がきちんとできていない施策はこの5つに埋められない項目が出てくるため、施策を考える人の自浄装置のような働きをしています。

例えばこのディレクター会をテンプレートに沿って報告しようとすると、下記のようになります。

# 施策名:サービス開発部のディレクター週例
- 仮説
  - ディレクターが定期的に施策情報を共有し意見交換できる場ができると、部全体の施策の精度とスピードが上がる
- 試算
  - 部の施策数が週5本(各チーム2週に1本)になる
  - 部の目標達成の進捗度が10%上がる
- 実数
  - 施策報告数:2〜3本/週
  - 部の目標達成進捗度:変化なし
- 考察
  - 定性意見より、会があることで施策/プロジェクトの成功への責任者意識は強まった
  - 他チームの成功・失敗事例やお互いの助言を担当案件に活かせる機会はできた
  - ただ、実際の施策のスピードやKPIの進捗に変化が起こるほどの成果には至っていない
- 次のアクション
  - アジェンダの見直し:参加メンバーに課題提起し、次の会で改善策を話す時間を取る

また直接この会に起因することではありませんが、最近サービス開発部では、施策結果のレポートをPull Requestで作ってチームでレビューする手法が採られ始めています。何かをリリースして完了ではなく、検証内容を振り返り次にどう進めるのかの判断にチームで取り組めることと、メンバーがレビューに入ることで、施策に対するチームの理解が揃う利点があります。

ディレクター会ではこれらの箇条書きやPull Requestを見ながら、施策共有に使える30分を週ごとの施策数で割って時間配分を決め、どんどん報告していってもらいます。報告を聞いている側の人は、気になる点や使える知見があれば自由に発言してもらい、特筆すべき意見は後で議事録に残して使ってもらいます。

ディレクター会の効果と課題

現在、この会を始めて2ヶ月ほどが経ったところです。前段の報告テンプレートの事例で少し前述していますが、現時点で良かったと感じている点は以下です。

  • 他チームの成功・失敗事例や、他のメンバーの助言など、自分の施策に活かせる第三者からの情報を得やすくなった
  • 週ごとに報告できる施策の数から、各チームの進捗スピードが推し測れるようになった
  • ディレクター:プロジェクトを成功に進める責任者という意識を合わせ、施策に取り組めるようになった

反面、まだ成果は定性的なものに止まっており、施策のスピードや部の目標達成の進捗に効果が表れるには至っていません。またディレクターのスキルアップのような長期の取り組みには手を出せていない状況です。

ちょうど先週これらを課題として改善策を相談し、次から以下の2つを変更してみる予定です。

  • 施策報告を、終了した施策だけでなく、これから実施する施策も対象にする
    • 結果だけだとチームが何を考えてその施策をしたのかわからない、終了施策にツッコミをもらっても「次頑張ります」としか言えないという意見から。施策の改善の余地に事前に気づいて検証の精度を上げられるように。
  • 進行中施策に直接紐づかない大きめのトピックも持ち込むようにする
    • 仮説定義や分析手法のノウハウなど、具体的な解がすぐ出せないから話題にしづらいが、各自悩みの深い相談を持ち掛けられるように。

このような取り組みを継続させるコツ

前回ディレクター知見共有会のエントリーを読んだ方から「うちはこういう会を始めても3回で自然消滅します…」という感想をいただいたので、大変僭越ですが、複数のメンバーを巻き込んで定常的な取り組みを行う際に意識していることを紹介させていただきます。

1. 参加者のコストを必要最小限にする

時間と手間を取りすぎないことを念頭に置いています。 今回であれば、会議が1時間を過ぎないよう時間配分することと、準備はGitHubのIssueにテンプレートに沿った箇条書きで済むようにしています。

2. 参加者がすぐ活かせる粒度の情報を入れる

「ディレクターに必要なスキルとは?」といった少し高い次元の議論だけでなく、明日から自分の業務に使える実用的な情報を得られる議題を含めることで、参加の利点を感じやすくします。 そのためディレクター会では実施施策の話題に時間を厚めに充てています。

3. “他人事” になっているメンバーを放置しない

取り組みが軌道に乗ってから1番気を配る点です。会議中ぼんやり聞いているだけの人が出てくるようになったら要注意です。敢えてその人に指名で意見を求めてみたりして反応を見ながら、会議の内容自体に原因がないか見直しを考えます。

最後に

ディレクターはエンジニアやデザイナーに比べて職務定義が難しいということをよく聞きます。また1つのプロジェクトに複数名でアサインされることは少なく、1人で複数のプロジェクトを掛け持ちすることは多いため、各自が抱える情報や知見を共有するには意識的な働きかけが必要だと感じます。

ただ、どんなプロジェクトでどのような働きをしているにせよ、ゴールに向かってチームを進めていく大事な役割を担っていることは確実だと考えます。

開発者がすごい!と言われるクックパッドですが、「ディレクターもすごいんです!」と言えるよう、今後も頑張っていきたいと思います。

そして、そんなチームに一緒に加わって頑張ってくださるメンバーを募集しておりますので、よろしくお願いいたします! https://info.cookpad.com/careers

*1:注: 「ディレクター知見共有会」はそのあと対象を広げ、今は参加者の職種は問わず様々な部署の体制や取り組みについて聞ける場として継続されています。

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