チームメンバーとの信頼関係を築く:定期個人面談の薦め

こんにちは。新規広告開発部所属エンジニアのレオ(@lchin)です。

ここ2年ほどは、大きな事業部のなかの小規模なエンジニアチームのリーダーを務めてきました。エンジニアリーダーとしては、1人のエンジニアとしてソフトウェア開発をしつつ、チームのメンバーの力をまとめて、事業部のゴールを推進しました。事業部のマネージャほど、マネジメント業務が中心になるわけではありませんが、多くのエンジニアが苦手な人間関係スキルはエンジニアリーダーにも必要です。

メンバーは何か大きな不安を抱えていないのか?ポテンシャルを発揮できていないメンバーにどうフィードバックするのか?メンバー間に何かトラブルはないのか?見えないところで仕事の妨げはないか?チームでソフトウェア開発を行う上のよくある悩みだと思いますが、皆さんはどう解決していますか?私は、個人面談はこういった悩みを解消するための大変有効な手段だと思います。

なぜ個人面談

毎日一緒に仕事をしてる人とは、なぜわざわざ個人面談をする必要などないと感じるかもしれません。毎日のスタンドアップミーティング、毎イテレーションのふりかえりなど、チームメンバーと話す場面は沢山あります。しかし、いくら普段からコミュニケーションを取っていても、実は1対1ではないと話せないことが沢山ありますし、忙しさに埋もれて話題に上がらないことも沢山あります。そこで問題を発見できれば、早い段階の解決に繋がることもありますし、何よりお互いの理解を深めることができます。

何を話すか

メンバーが話したいことであれば、何でもよいです。仕事の話題でも、プライベートの話題でも、技術ネタでもよいです。ただし、個人面談はチームメンバーの抱えてる課題を発見して解決に導く上、お互いの理解を深めて、結果として強いチームを作ることを目的としますので、特に注目したい話題がいくつかあります。

仕事のブロッカー

仕事が順調に進んでるように見えるかもしれないけど、直接聞かないと気づかないような仕事のブロッカーはよくあることです。それがメンバーの仕事に対する不満かもしれないし、チーム内の齟齬や他部署とのやりとりかもしれないです。経験豊富なリーダーとして、大した問題ではないと感じるかもしれないけれど、本人にとっては大変な問題だと感じます。しっかり耳を傾けて、会話によって本当の問題を発見して解決に導くことは個人面談の主目的になります。

相手を配慮したネガティブ・フィードバック

定期的な面談のもう一つのメリットは、実はネガティブ・フィードバックの機会であることです。チームの前でネガティブなフィードバックをすると相手を傷つけかねません。いきなり呼び出しをすることも同様です。定期的な個人面談であれば、相手の気持ちに気を配りつつ、ネガティブなフィードバックを提供できる絶好の機会です。もちろん、そんなフィードバックが必要になる前にこの場を使って未然に防ぐことができたらもっとよいでしょう。

逆に相談する

メンバーの話を聞くチャンスだけではなく、逆に自分自身の不安や課題について相談するチャンスとしても活用できます。自分の相談ごとをその場で解決する必要はないのですが、メンバーもきっと優秀ですので、新たな視点や気付きを貰えるかもしれません。お互いに何か得るものはあるはずです。

評価の話をしない

一方、今回取り上げてる個人面談はチームの運用をより上手く行うためのもので,会社の人事制度で社員を評価をするための面談ではありません。評価の話になってしまうと、本当に大事な話ができません!

個人面談のやり方

1. 定期的に実施する

決まったスケジュールで実施しましょう。たとえば、「毎月の第一火曜日」のように、決まった頻度と日程に設定します。そうすると、面談の習慣が定着し、更に信頼につながります。そして、相手を尊重してきちんと約束の日程を守りましょう。継続は力なり。 どうしても約束が守れないときは、飛ばさずにリスケしたほうがよいです。

2. 十分に時間を確保する

個人面談に多くの時間を割くのは無駄だと感じるかもしれませんが、そもそも十分な時間を確保しなければ、浅い話しかできなくなります。最低でも30分くらいに設定するとよいでしょう。

3. 自由に話せる場所を選ぶ

自由に色々な話題が話せるように、なるべく相手が安心して何でも話せるところを選ぶとよい思います。普通に会議室で行うのがベストだと思いますが、リラックスして気持よく話せるところならどこでもよいです。外で散歩しながらでもよいし、ランチミーティングでも居酒屋ミーティングでもよいです。

4. 相手の話したいことを引っ張り出して、聴く

とりあえず「最近、どう?」など、簡単でオープンな問いかけから始めましょう。相手を誘導しないような質問から面談を開始すると、本当に何を考え、何を感じてるかを話してくれる確率が高くなります。

勝手にいろいろと喋ってくれるような人であれば、その後は耳を傾けて聞けばよいのですが、そう上手くいかないことも多いです。話が長く続かなければ、もっと話を誘導するような質問に切り替えましょう。

  • 仕事のブロッカーありますか?
  • 今のチームのやり方、どう思いますか?
  • 最近、試してみたい技術ありますか?
  • なんか不安ありますか?
  • 最近ひどいと思ったコードありますか?
  • 今の仕事、楽しいですか?
  • など

もちろん、普段からの気付き、聞きたいことを事前に用意しておくことがベストです。

注意点として、面談が進捗報告会にならないようにしてください。「進捗ダメです!」をただ知るではなく、なぜ進捗がダメなのかを発見する場として活用しましょう。

5. 話し合う

話題を発見できたら、積極的に意見交換しましょう!

まとめ

皆さんもぜひチームメンバーと定期的に面談してみてください。上手に個人面談を実施すると、チームのメンバーの思いを汲み取り、チームの色々な課題を発見し、解決に導くヒントに出会えると思います。そして、メンバーと強い信頼関係を作り、チームにさらなる活気をもたらし、より良い仕事が出来るようになるはずです。