ディレクターの知見共有の仕組み

こんにちは、検索・編成部の五味と申します。

現在はディレクターとして、クックパッドiOS/Androidアプリを使いやすくするための施策を主に担当していますが、年初に異動して来るまでは、広告クリエイティブ制作というまったく異なる仕事をしていました。

サービス開発に関しては初心者状態だった私にとって、貴重な学習機会を与えてくれている、クックパッドのディレクター同士の情報共有の仕組みをご紹介します。

ディレクター同士の連携は難しい?

まずはじめに、現在クックパッドでは事業部制が採用されており、ディレクターは複数の部署に数名ずつ分かれて働いています。

ところが、ディレクターは同職間での連携が難しい職種でもあります。通常1つの施策を複数名で担当することはないので、お互いの業務進捗を報告しあってもいまひとつ理解しきれませんし、担当する施策の内容もバラバラであることが多いため、業務フローに問題があっても一緒に議論できることが少なかったりします。

部署をまたぐと尚更で、何もしなければ他部署のディレクターとの活発な連携は起こりづらい状況です。

「ディレクター知見共有会」

そこでクックパッドでは「ディレクター知見共有会」というミーティングが週に1回実施されています。サービス開発に関わるディレクター達が、部署を越えて集まる会合です。

参加者が持ち回りでプレゼンテーションを行う形式で、聴講はNG。雰囲気は和やかに行われていますが、出席したければ発表も必須で行う、という鉄則があります。 f:id:natsuki53:20151008084320p:plain

「知見共有」ができる仕掛け

この会ではディレクター同士の「知見共有」実現のため、以下の工夫が行われています。

- 発表は「5分以内」

時間制限が短く設定されることで、発表側は情報を重要なものに絞り、聞き手に伝わりやすいボリュームにまとめ、簡潔な構成で伝えることを意識するようになります。

- テーマは「自分のリリースしたプロダクトについて」が基本

どんな課題にどう仮説を立て、解決策として何をし、結果どうなったのか。身を以って学んだことを、自分の言葉で説明までできるようになるためです。実際にユーザーにリリースした画面のデモまでできると最良です。

- 2週に1度の頻度で発表する

「知見」を発表する当番は、2週に1度という高頻度で回ってきます。他のディレクターに共有できる知見を意識して作るようにするためです。プロダクトリリースがその頻度に間に合わないこともありますが、その場合は業務上のtipsや日常生活で見つけたユーザー課題などテーマを工夫して発表します。

f:id:natsuki53:20151007185335p:plain 発表テーマの一例

「ディレクター知見共有会」のいいところ

この制度の主な長所は、以下の4点があると思います。

1. 他のディレクターの働き方がわかる

課題・仮説設定から実際リリースした画面まで、施策単位で事例を発表してもらえるため、各ディレクターが課題に対してどのような解決策を考え、何に留意しながらプロジェクトを進めているのか、進捗報告では見えない働き方やスキルを知ることができます。

2. 他部署の施策がわかる

部署をまたいだ発表会であるため、各部署が注力している施策を、実際に出ている画面やユーザーの反応とともに知ることができます。各施策がどのような目的下でリリースされているかがわかると、自部署の施策の参考にもなり、業務上発生する部署間の調整も円滑になります。

3. お互いの施策に意見し合うようになる

共有会では、各発表の後に必ず質疑応答の時間が設けられています。必然的に他のディレクターの施策について考え、意見があれば伝えることが習慣化します。

4. キャリアやスキルについて一緒に考えるようになる

社内のディレクターと部署をまたいでお互いの施策について共有・意見し合う機会を持つと、自ずと自分が習得すべきスキルや、ディレクターとしてのキャリアアップとは何かを考えるようになりました。 社内のディレクターの評価制度を整える試みも、この会を始点に始まっています。

進展

さらにこの会のメンバーを主体に、クックパッドのディレクターとしての社外への情報発信も、今後積極的に行っていこうとしています。他社との勉強会を実施するなど、徐々に取り組みが始まっているところです。

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最後に

実は今回この「クックパッド開発者ブログ」に、ディレクターの私が投稿させていただいていることも、「ディレクターも社外へ情報発信して行こう!」という、「ディレクター知見共有会」の取り組みの一環です。

これから他のディレクター達も順次登場して参りますので、楽しみにしていてください!