サービスをエコシステムで改善した(してる)はなし

投稿推進部の大前です。 普段はレシピを投稿するユーザーさんに向けたサービス開発・改善を担当しています。

一般に「サービス開発」というとどれくらい本質的なユーザーの課題解決をできているかや、価値提供ができているるか、ということが重要な観点として取り上げられますが(もちろんそういうった点が大事なのは大前提として)、今回はクックパッドという一つの大きなサービスの中で日々起こっているユーザーアクションを、クックパッドをひとつの大きなエコシステムとして捉えることでより多くの副次的な価値に還元できたらないいのになーというような話をしたいとおもいます。

クックパッドという大きなエコシステム

ご存知のとおりクックパッドは一般のユーザーの方が投稿してくださっているレシピを中心とした(すこし古い表現ですが)CGMサービスです。

すごく簡単に言ってしまうと、クックパッドに投稿されたレシピがそれを必要としている人のもとに届き、そこで「おいしかった!」を生み、その感謝の声がレシピを投稿した人の元に返ってきて、また次の新しいレシピを産む、というような循環の上に成り立っています。

日々多くのサービスに携わるスタッフが、クックパッドの中で新しい機能を開発したり改善をしたりしていますが、それらもゼロから価値を創造してユーザーさんに提供している、というよりは、前述したようなクックパッドの中で生まれているユーザーさんのアクションひとつひとつをきちんとその方や別のユーザーさんの価値にもなるように還元するような仕組みや形をつくることで、実現できているのではないかと思っています。

材料入力の難しさを改善

話がいっきに飛びますが、最近の事例でそういったユーザーのアクションを別のユーザーの価値に還元することで課題を解決しようとしている事例を紹介したいと思います。

最新のバージョンのクックパッドのアプリではレシピ投稿の材料入力時に、入力した材料に対して最適と思われる分量単位の候補を提案する機能が実装されています。(iOSのみ)

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これは、レシピの投稿のシーンにおいてかねてからあった材料入力の難しさという課題への取り組みの一つです。 単純に「g」や「本」など頻出する分量の入力を簡単にするだけでなく、例えば「 にんにく」や「しらす」などに意外とぱっと分量の表記の仕方が思いつかないものの入力を補助します。

クックパッドの約200万品のレシピをもとに提案する

提案される単位の候補は予め用意した辞書データなどを利用しているのではなく、これまでにクックパッドに投稿されたレシピのデータから各材料ごとの代表的な分量の単位名を返すAPIを作ることで実現しています。

例えば「醤油」であれば「大さじ」「小さじ」「cc」「g」「滴」などが候補として提案されますが、これはクックパッドのレシピで利用されている醤油という材料の分量表記は「大さじ」でされているものが一番多いということでもあります。

レシピチェックからの還元

多くのレシピで分量の単位として実際に利用されているからといって、一般の方が書いたレシピに使われているものが必ずしも単位として正しいの?という疑問があるかもしれません。

厳密な正確性ではそういう面があるかもしれませんが、クックパッドではすべての公開されたレシピをスタッフが確認する「レシピチェック」というフローが存在します。

せっかく書いていただいたレシピがより多くのひとに再現性高くつくっていただけるように、スタッフが表現やレシピの書き方などについてコメントをさせていただくことがあります。

APIが返すデータには言わばこういったものの還元も含まれています。コストをかけて完璧な辞書をもとに分量の単位を提案することもできますが、ユーザー発信の入力をベースにすることで新出の材料などにも比較的運用コストが低く対応できるのではないかと考えています。

まとめ

はじめに書かせていただいたとおりクックパッドはCGMのサービスです。閉じた個人の利用ではなく、多くはクックパッドを利用いただいているユーザーさんの発信する価値の相互の還元で成り立っています。 今後もクックパッドを利用していくことでご自身や他のユーザーさんがもっと便利にもっと料理を楽しめるようにクックパッド全体が還元できるサービスになっていけるように改善を続けていきたいと思います。

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