MR による料理サポートのための取り組み

研究開発部アルバイトの山谷 @kei_bility です。リモートアルバイトとして IoT やモバイル、VR, MR の領域で新規サービス開発に取り組んでいます。

その中で HoloLens を活用した MR (Mixed Reality) による料理サポートのための取り組みを少しだけ紹介したいと思います。

概要

HoloLens を装着したユーザーが空間上で AirTap と呼ばれるジェスチャーをすると、いま見ている状態をキャプチャしてその画像を API リクエストでサーバへ送信します。

そしてサーバ側で画像認識した結果を受け取りその結果を表示します。

背景

背景としては、Semantic ARのように HoloLens と画像認識モデルを組み合わせ画像認識結果を現実世界に重畳させてユーザーに提供したいというモチベーションがありました。 HoloLens で画像認識するには HoloLens 自体で画像認識モデルを動かすか、API を経由してサーバ側で画像認識した結果を可視化するかの2通りがあります。 前者の方法について TensorFlowSharp などを使ってモデルを動かせないか検討していましたが、 HoloLens の CPU/GPU では画像認識モデルの推論計算に時間を要する or モデル自体を圧縮する必要があるなど、すぐに試せなさそうなことがわかりました。 ということで、今回は HoloLens から画像を取得しその画像に対して API を通してその結果を可視化することにしました。

社内には Cookpad Computer Vision API (別名 See Food API) があります。ここにはクックパッドの画像認識モデルがAPI化されており、最新の研究成果を利用することができるようになっています。 今回はこの API と HoloLens を連携させてみました。

以下では Unity でのセッティング、HoloLens でのカメラ画像の取得、APIリクエストについて触れます。

Unity での UI セッティング

Unity で作る UI としては、キャプチャした画像を表示するパネルと、画像認識結果を表示するパネルの2つをユーザーの前に配置します。

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カメラ画像の取得

HoloLens のカメラ画像を Unity で取得するため以下のように PhotoCaptureObject を使ってカメラパラメータを設定します。

void OnPhotoCaptureCreated(PhotoCapture captureObject)
{
    photoCaptureObject = captureObject;

    Resolution cameraResolution = PhotoCapture.SupportedResolutions.OrderByDescending((res) => res.width * res.height).First();

    CameraParameters c = new CameraParameters();
    c.hologramOpacity = 0.0f;
    c.cameraResolutionWidth = cameraResolution.width;
    c.cameraResolutionHeight = cameraResolution.height;
    c.pixelFormat = CapturePixelFormat.JPEG;

    captureObject.StartPhotoModeAsync(c, false, OnPhotoModeStarted);
}

APIリクエスト

ユーザーがジェスチャーをしたらイベント発火し、API へリクエストを送ります。Unity の WWWクラスを利用し、C# スクリプトとして以下のように実装します。 レスポンスの json データからインスタンスを生成するため、レスポンスデータに対応する [Serializable] なクラスを用意しておき、 Unity 5.3 から利用できる JsonUtility で json からインスタンスを生成します。

WWW www = new WWW(apiEndPoint);
yield return www;
string response = www.text;
var result_json = JsonUtility.FromJson<ImageRes>(response);

こうしてユーザーが AirTap すると目の前の画像に対して認識した結果を表示します。

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まとめ

Mixed Reality を実現する HoloLens を活用した料理サポートのための取り組みを紹介しました。 今後は料理動画をキッチンの任意の場所に貼り付けて操作できるようになったり、食材を認識して下ごしらえの仕方を教えてくれるなど、 Mixed Reality によって料理の新しい体験やサポートができるようになればいいなと考えています。

いかがでしたでしょうか。 クックパッドでは、IoTやモバイル、VR, MRで新たなサービスを創り出そうとチャレンジしています。 興味のある方はぜひ話を聞きに遊びに来て下さい。